数学(算数)の教え方は大まかに分けて2通りあります。

1つは「できる数学」。「なぜそうするのか」、よりも「どうやってするか」をまず教えて、できたらほめてあげ、どんどん繰り返しやらせて、少しずつ高度な段階へ進みます。子供たちも正解の○(マル)がもらえるとうれしいので、意欲を持ってどんどん先へ進みます。

 

もう1つは「わかる数学」。訓練よりも、どちらかというと理論に重きを置き、「ああ、なるほど」と、得心がいくまでは次に進まず、さまざまな例を取り上げて「なぜそうなるのか」を説明します。前者は子供たちの「できた!」という声を聞くために、後者は「わかった!」という声が聞きたくて、それぞれ工夫を凝らして教えます。

どちらが優れているということはなく、両方併用しながら教えていかなければならないのですが、個人的な考えですが、学年が低い段階では①の方法を優先し、学年を経て理解力がつくほどに②の方法をとり混ぜてバランス良く教えてくべきだろうと思います。欧米では②の方法を重要視していますが、日本では伝統的に①の方法を優先しがちで、「習うより慣れろ」という格言は、教育の世界のみならず、社会においてよく聞かれるところです。